あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。「第11話 あの夏に咲く花」

「真心」と「無常」。
花火が上っても消えないメンマ。
メンマが成仏しなかったのは……。5人が自分の思いを叶えるためにあげた花火だったから。この花火は、メンマのお願を叶えるためにあげたものだったはずなのに。みんな自分の事だけを考えていた。
みんながそれに気付いたとき、呼び方があだなに戻る。あだなというのは、少年時代に戻るカギだったのかもしれない。メンマは、はじめからあだなで呼んでいた。みんなに昔のように仲良くして欲しかったからこそ、はじめからずっとあだなで呼んでいたのだろうか。
自分の思いを話す5人。今まで、自分で壁をつくっていた5人の思いがはじめて5人の口から語られる。5人は全員、心の中に後悔の気持を抱えていた。みんな、自分だけが後悔の念を覚えていると思い、親友だったからこそ誰にも相談できず、自分だけの殻に閉じこもっていった。だから、5人の時間は少年時代で止まってしまったのだろう。
しかし、5人が「真実の心」を話すことができたことにより止まっていた時間が動き出した。メンマのおねがいは「ジンタンを泣かせること」だったが、このことは同時にジンタンの、ひいては5人の心の壁を壊すことだったのではないかと思う。
最後に、題名の「あの花」と言うのはメンマのことで、「名前」は願いだったのだろう。この世界で生きているみんなが「花」になりうる。
というのは、年を重ねるごとに色々な人と出会う。あの時に出会った人は何って名前だっただろうと振り返る。あの頃は様々な経験をして色んなことに触れて。楽しい思い出や、ちょっぴり切ない思い出もあるだろう。そんな思い出は薄れていく。そして、大人になっていく。どんなに望んでも、「常に変わらない」ということはない。しかし、だからこそ、人は大人になることができる。

このページの先頭へ