逆境無頼カイジ 破戒録篇;「第12話 破天・破漢」

「希望・・消える こみあげる吐き気。 ゆがむ・・溶ける・・溶ける・・。 限りなく続く写生のような感覚 ある意味桃源郷.破天破漢破滅・・ そして至福へのカウントダウン」
 自分の財産である2000万円を使い切り、くすねた金である3000万円を使い始める坂崎。そんな坂崎の行動は店側に読まれていて勝つ見込みはほとんどない。台に腰をかけた時から見えていたのだ、勝利にたどり着く前の崩落が。 しかし、それを知りつつも、勝てないかもしれないとわかっていても、今さらやめることができない。全財産を使ってしまったことで、勝てないとわかっていても、止めることができなくなってしまったのだ。
坂崎には独特の考え方があったように思う。
というのは、自分の財産を自分の人生と同視していたことだ。もちろん、お金は重要だ。しかし、私たちが人生を振り返るときには、財産だけでなく、思い出や家族、友達といったものも含めて自分の人生と思うだろう。しかし、坂崎の場合には、仕事を失い、家族を失い、残ったものは2000万円だけだったことから、財産だけが自分の人生であると思っていた。
本来ならば他人からお金をくすねるときにも、その他人からくすねたお金を使うときにも強い罪悪感や、自分のお金を使う以上の抵抗感を感じるはずである。しかし、坂崎にとって一番重要なものは自分の財産であるが故に、本来的な考えをすることができなかった。
 坂崎が大敗を喫した後、坂崎の洋服に紛れ込んでいたパチンコ玉から勝利へ道が見えてきたカイジ。店側が出さないと決めた台でどのようにして勝利をつかもうというのか。
カイジが思いついた「くぎの森」の突破口とはいかなるものなのか。天才カイジの次の行動が楽しみで仕方がない。

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